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バンクシアの響き

時代が急展開している今、
人間社会の新旧交代にまつわる出来事の本質をトータルヘルスデザイン 近藤洋一が考察します。

9月 手作り酵素(1)

6月初旬、チャレンジPPK、バンクシアフィットネスの仲間とともに岐阜県郡上市北部に位置するひるがの高原で、“手作り酵素体験”を楽しんできました。ひるがの高原の山野に自生する野草を発酵させて手作りで酵素をつくるイベントです。

古来日本民族は味噌や醤油、漬物、梅干、納豆をはじめ、数々の発酵食品を生み出すなど微生物と上手に共生し、自然とともに生きる知恵を磨いてきたことで知られています。日本は森林率世界第2位、自然の恵み豊かな発酵王国であるにもかかわらず、身のまわりには不自然な加工食品があふれかえっていて、日本民族の健康に暗い影を投げかけています。

今回のイベントのキーワードは“手作り”,“野草”,“発酵”,“酵素”,“常在菌”です。
そこで本稿では「手作り酵素」というテーマを通して見えてくる自然と人間社会のあり方について考察することにいたします。

人体常在菌

“宇宙は愛”といわれています。人は“宇宙という偉大な母親”の愛を受けて、この世に生を受けたとするなら、人の体とその生活環境には、この大自然の中で生き抜いていくために必要なことはすべてととのっていることになります。

さて手作り酵素です。野草を摘んできて砂糖とともに容器に入れて、手でしっかりかきまぜると発酵が進んでいきます。野草の細胞内のミトコンドリアが砂糖をエネルギーに変換してくれているのです。

できあがった“手作り酵素”には自分の手に宿っていたさまざまな細菌(常在菌)が含まれていますので、それを食べると腸の中に常在菌が増えて健康になるための基礎がととのいます。
私たちが元気で生きていくことができるのは腸や皮膚など人の体に棲息している常在菌のおかげなのですが、菌というとなにやら恐ろしいものという先入観があるのではないでしょうか?

人の体には数百種類、100兆個を超える細菌が常在しているといわれています。
細胞の数が60兆個ということですから、莫大な数の微生物が人体には棲んでいて、人が安全に生きるための、縁の下の力持ち役を引き受けてくれています。
赤ちゃんは無菌状態で生まれてくるのだそうですから、人体の細菌はどこからやってくるのでしょうか?

人体の細菌は、赤ちゃんがお母さんの産道を通って生まれてくる時に形成されます。
産道はお母さんの体液でびっしり覆われていますので、それが赤ちゃんの頭のてっぺんから足の先まで付着するのです。

それまで赤ちゃんの腸の中は無菌状態なのですが、しばらくするとビフィズス菌などがやってきて、腸内細菌叢が出来上がるのだそうです。人はすごいドラマを経て生まれてくるのですね。

その後、赤ちゃんは細菌に取り囲まれて育っていくことになります。細菌は主として腸管の中に棲んでいるのですが、口や鼻の中、気道や尿路、皮膚表面にも棲みついて、人体常在菌として私たちの体を守ってくれることになります。

赤ちゃんは産道を通るときにお母さんから細菌をもらい、細菌と触れ合うことによって、そしてさらに、お母さんからもらうおっぱいで抵抗力をつけて、すくすくと育っていくようになっているのです。

ところが近年、こんな大事な細菌を消毒によって取り除いてしまうという分娩が行われています。アトピー性皮膚炎などの免疫疾患が急速に増えていますが、その背景には私たちの体を守ってくれている細菌を目の敵にして、何かというと細菌をやっつけるために消毒するという生活環境があると思うのです。

忘れてならないもの―――人体常在菌とお母さんのおっぱいです。