トータルヘルスデザイン公式サイト

バンクシアの響き

時代が急展開している今、
人間社会の新旧交代にまつわる出来事の本質をトータルヘルスデザイン 近藤洋一が考察します。

「気」の話(5)

原始林で生活する動物たちには「元気の力」が備わっていて、病気にはならない、あるいは病気では死なないと言われています。
私たち人間も同様に、“美しく健やかに生きていくために必要な「元気の力」”を、「生みの親」すなわち宇宙から与えられて、この地球上に存在していると言ってよいと思います。
その割には、なぜか怪我をしたり、病気になったり…、健康もなかなか思うようにはいかないのが現実の姿です。一体どうなっているのでしょうか?

WHOと健康

人間の健康を基本的人権の一つとして捉え、その達成を目的として設立された国連の機関WHO(世界保健機構)では、健康を次のように定義しています。
「健康とは、身体的、精神的及び社会的に完全な幸福(ウエルビーイング)の一つの状態を云うのであって、決して単に病気や障害のないことを意味するものではない」ところが近年になって、スピリチュアル(霊的)なことが身体的な健康と大きくかかわっているということを、各界の人々から指摘されるようになりました。
 この事実を認識したWHOは、1999年に行われる予定の総会で、新しい健康の定義を次のようにしようという提案をすることになりました。「健康とは、身体的、精神的、社会的かつ、霊的(スピリチュアル)に完全な一つの幸福のダイナミカルな状態を意味し、決して単なる病気や障害の不在を意味するものではない」新しくスピリチュアル?とダイナミカル?という言葉が入ったのです。
 そこで、このスピリチュアル?をどのように定義したらいいのかを決定するために、WHO主催の協議会が開催されました。総会の前の年、1998年のことです。討論の出発点となるべきスピリチュアル?について、WHOの文書には次の通り記載されていたのだそうです。「(霊性とは)自然界に物質的に存在するものではなく、人間の心に湧き起ってきた観念の-とりわけ気高い観念の-領域に属するものである」これが協議会に参加した人の出発点であって、特別な宗教を前提としていないことが確認されたのでした。
 天然痘などの伝染病撲滅をはじめ、広く人類の健康と取り組んできたWHOが、「霊性」をキーワードとして健康の定義を問い直そうとしている21世紀を目前に控えた世紀末、何か大きな意味が感じられるのではないでしょうか?仏教の立場からこの協議に参加した京都大学・山口昌哉名誉教授は、「会議は、きわめて友好的な雰囲気で行われ、問題が宗教に関することでありながら、宗教的な対立はなかった。一つにはスピリチュアリティという言葉を取り上げたからではないかと思う。この言葉は世界レベルで考えるべきものであると思う。
……(中略)……
 個人の霊性だけでなく、集団や国の霊性の良い面についても考える必要がある。日本での最近の犯罪や汚職には、スピリチュアリティの一かけらもない。これらを考えたとき、特定の宗教にかたよらない霊性の議論を日本でも始めるべき時期だと思う」と述べておられます(以上につきましては 季刊仏教bS5「仏教心理学」法蔵館 をご参照ください)。
 翌1999年、WHO設立50周年を記念して開催される総会の議題として、新しい健康の定義が提案される予定でした。私は、総会で健康の定義がどのように改正されるのか、楽しみにして、その時を待っていました。いつまで待っても報告がないので、厚生省に問い合わせたところ「ポリオなど多くのテーマがあって、健康の定義については時間切れになったので、議題に上がることもなかった」という回答が返ってきて、少しがっかりした次第です。そして2015年現在、健康の定義は変更されることのないまま、すなわち「スピリチュアリティ(霊性)」と「健康」の関連性について深く討議されることのないまま、現状維持で今日に至っているのです。「スピリチュアリティ」という言葉は、宗教がからむだけに、タブーに触れることが懸念されたのかもしれません。人間存在の根幹をなす「スピリチュアリティ(霊性)」が現代社会には受け入れられないというのが現状なのです。そこで「体」と「心」を結び付けているものは何なのかについて、もう少し別の角度から考えてみることにいたします。

 「気」… 「体と心」を結ぶもの

私どもでは「体と心と宇宙を結ぶ」というテーマで、バンクシアフィットネスを開催させていただいています。講師を務めていただいている「気の達人」芳野武神人さんには、受講されている皆様の「気の流れ」を徹底的にパワーアップし、心身の浄化を促進していただいています。
お蔭さまで大変ご好評をいただき、すでに1000人を超える方に、気の達人?への道を歩んでいただいています。芳野さんは「気」について次のように述べておられます。
 源泉からあふれ出て上賀茂神社と下賀茂神社の周辺を通過してきた加茂川と高野川の美しく清らかな水からは、それぞれ独特のバイブレーションが発振され、平安京全体を潤いのある街として育んでいったのだと思います。……「体と心と宇宙を結ぶ」もの、それは「気」です。ある一定のルールで体を動かすと、「気」は自らの体の内から湧き出してきます。この「気」は、質的には宇宙の「気」と同じものです。したがって、体から湧き出した「気」はやがて宇宙の「気」と同調し始めます。……
芳野さんのバンクシア・ヒーリングを体験しますと、1〜2日は体内の要所、要所を「気」のエネルギーが巡りつづけますので、その間、心身の浄化が促進されることになります。「気」を通して私たちの「体と心」に何が起こっているのでしょうか?芳野さんは、ヒーリングのメカニズムについて以下のように解説されています。
……人体には5種類のとっても重要な回路があります。

 【1】血液が流れる回路:血管
 【2】リンパ液が流れる回路:リンパ管
 【3】電気が流れる回路:神経
 【4】息の流れる回路:気管
 【5】「気」の流れる回路:「気」の回路

 血液もリンパ液も電気も息も、スムーズに流れていることが大切なことは言うまでもありませんが、それらの流れを律しているのが「気」の回路なのです。
「気」が順調に流れていてはじめて、すべての回路がスムーズに機能するわけです。……
「気」というのは中国から輸入された文字ですが、日本においては、日本元来の文化とも絡んで独自の広がりをもって展開し、今日に至っていると言ってよいと思います。
日本人は「アタマ人間」を嫌う傾向があるように思われます。「アタマ」という人工的な合理性以上に確かで、「根源的そして自然な何か」が、この「体と心」の中に存在していることを察知しているからではないでしょうか?
 「体と心」の中核に存在している「根源的で自然な何か」、それこそ「気」だと思うのです。「もう一つ、“気”乗らないね」といった言葉で、ごく簡潔に表現するのが常なので、「気」の真髄が理解されにくいのかもしれません。大人になると、子供のように「気」がゆらゆらと立ち上ることもなく、ついつい臨機応変な「気働き」もなくなりがちですので、「気」を付けたいものですね。