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バンクシアの響き

時代が急展開している今、
人間社会の新旧交代にまつわる出来事の本質をトータルヘルスデザイン 近藤洋一が考察します。

人間の可能性


私たちは高度経済成長時代を経て現在に至っていますが、この間、ずいぶんぜいたくな生活を送ってきたように思います。家の中にも結構多くの品物があふれているのではないでしょうか?
 そして今。シェアエコノミー(シェア経済)という言葉を頻繁に見聞きするようになりました。
 何が起ころうとしているのでしょうか? 人間社会の来し方、行く末について少し考えてみることにいたします。

新時代のキーワード :【シェア】

 「地獄の沙汰も金次第」という意味深長な言葉がありますが、お金をどのようにとらえるかによって社会のあり方も180度変化するように思われます。
  資本主義の勃興期1848年に、お金のもつ莫大なエネルギーを象徴するような歴史的な出来事が、ヨーロッパとアメリカで起こりました。

  ひとつは、ドイツでマルクス・エンゲルスによって「共産党宣言」が発布されたことです。
 「これまでの社会の歴史は階級闘争の歴史である。ブルジョアジーに代わってプロレタリアートが、人類解放のための社会革命を担うのだ」という革命思想の下で、レーニンによってロシア革命となって結実、史上初の社会主義国家が建設されたのでした。1917年のことです。

もうひとつ、アメリカ西部カリフォルニアで、金鉱を掘り当てて、一財産築きあげようという人々の熱い思いと行動力によって、激しいゴールドラッシュが起こりました。
  ジョン・フォード監督のアメリカ映画「荒野の決闘」の主題歌「愛しのクレメンタイン」は有名ですね。

  ゴールドラッシュの流れに乗って、一山当てようとカリフォルニアにやってきた「‘49年の男」の娘さんに起こった悲劇を歌った曲なのでした。
このメロディは、日本では「雪山讃歌」として知られていますが、少し趣が違いますね。
  資本主義の揺籃期である19世紀の半ばには、何が何でもお金を手に入れようという人の勢いが強烈で、人々の間には「シェアする、すなわちみんなで分け合おう」という発想は希薄だったのだと思います。

  そして今、資本主義末期。これ以上、お金とモノにこだわっていては、資源は底をつき、地球環境はガタガタになってしまうという危機感を背景に、時代は急転換しているように見えます。
 あまり使わないモノや場所などを、個人同士でお互いに貸し借りする動きが出てきました。
インターネットの普及で、貸したい人と借りたい人を結ぶサービス業務を営む人が増えてきたと同時に、スマホの普及で、誰もが手軽に利用できるようになったので、市場が一気に拡大していると報道されています。

 「部屋を貸したい人は、民泊仲介サービスをする会社に登録し、空いている部屋や家を貸して、宿泊料を受け取る」というシェアサービスが活況を呈しているそうです。
家だけではなく、必要に応じて車を借りられるシェアリングサービス「ライドシェア」も動いているのだそうです。
 車を借りたい人と貸したい人の情報を「プラットフォーム」と呼ばれる企業がインターネットでつなぐシステムです。
 車のシェアが社会全体にいきわたれば、保有台数は現在の半分以下になるといわれています。ライドシェアの認知度はアメリカで85%、中国、インドでは9割を超えるそうですが、日本では5割以下ということで、あとひと踏ん張りなのですね。
 高度経済成長時代、「となりの車が小さく見えます」というCMが広く知れ渡っていたものですが、隔世の感がありますね。

 市場原理主義やグローバル化を中心軸とし、世界で通用する国際企業を目指そうとして、経済体制が構築された時代がありました。しかし今や、自分たちの足元をしっかり見つめ、自然や風土を大切に、大地に足をつけて新たな国づくりをやろうとする風潮が世界を満たす、そんな時代へと移行しつつあるのではないでしょうか?

進化の足跡

私たち人間は、地球上に生を受けて以来、その進化の跡を肉体に刻み込んで現在に至っているように見えます。
 旧約聖書に「主なる神は土のちりで人を造り、命の息をその鼻に吹きいれられた。そこで人は生きた者となった。」と記されていますが、現実にヒトの体は、鉱物から始まり、植物、動物、そして人間へと進化の過程をたどって現在に至っているように思います。

@まず鉱物です。イノチを維持していくために微量ミネラルすなわち「鉱物」がいかに大切かについては、つとに指摘されているところです。
鉱物と有機物が協調して人間の体の基礎を創り上げてくれているのです。

A次いで植物です。植物は動物や人間と違って、お腹が減ったからと言って食べ物を求めて動き回る必要もなく、その場にじっとしていても、大気中そして土壌の中から、何の苦労もなく栄養を補給することができ、悠々として何十メートルもの巨木に成長することができるのですから、うらやましい限りですね。
 人間にも、心臓や胃腸などの【植物性器官】が配備されていて、自律神経を通して宇宙とつながり、日々の生活を何不自由なく営んでくれています。

B次は動物です。植物に比べると、動物は食料を求めて、あちこち動き回らなければなりません。
動物たちが、広い世界を自由に飛び回ることのできるのは、骨や筋肉、関節などの”運動器官”、そして視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚などの五感で構成される”感覚器官”といった【動物性器官】があればこそですが、まさに大自然の妙といえるのではないでしょうか?
 しかし植物から見ると、食べ物を求めてウロチョロするなんて動物たちは何と不便なのだろう、ということになるのかもしれませんね。

Cさていよいよ人間です。人間には進化の最終到達系としての頭脳が与えられていて、3層構造になっていることが知られています。

 すなわち私たちの大脳の最深部には爬虫類型の脳「脳幹」があり、その外側を囲んで原始哺乳類型の脳「大脳旧皮質」、そして一番表層部に人間と高等哺乳類、霊長類だけにある新哺乳類型の脳「大脳新皮質」があります。

 それぞれの脳には、次のような独自の役割が備わっています。

※脳幹(爬虫類型の脳)・・・個体維持と種族保存の本能。血液循環、呼吸、心臓の鼓動など、
 基本的な生命活動を行う中枢としての役割が与えられています。

※大脳旧皮質(原始哺乳類型の脳)・・・情動の中心。気分や感情が湧き出す源泉です。

※大脳新皮質(新哺乳類型の脳)・・・「爬虫類型の脳」と「原始哺乳類型の脳」から情報や
 衝動を受け取り、生きていくのに必要な思考や精神作用に変換する役割を担っています。
 右脳と左脳に分かれていて、人は白紙の状態で生まれてくるのだそうです。

 なぜ赤ちゃんは、新哺乳類型の脳が白紙で生まれてくるのか、興味は尽きませんね。