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バンクシアの響き

時代が急展開している今、
人間社会の新旧交代にまつわる出来事の本質をトータルヘルスデザイン 近藤洋一が考察します。

2月 自然に学び、自然に帰る

― 薔薇ノ木ニ薔薇ノ花咲ク。ナニゴトノ不思議ナケレド ―  北原白秋

「バラの木にバラの花が咲く」というのは、バラにはバラの設計図(プログラム)があるということを意味しているといってよいと思います。“いまココ”を生きているかぎり、やがてバラにはバラの花が咲き天命を全うすることができるということは、考えてみればすごいことではないでしょうか?

これは何もバラに限ったことではなく、松には松の、梅には梅の、桜には桜の設計図があり、自然のままに生きれば、天命すなわち設計図どおりのイノチを生きることができて何の問題もありません。小さい小さい種子の中に設計図が組み込まれていて、自然の摂理にしたがっているかぎり「瓜のつるに茄子はならない」ということになります。

半世紀以上前のことですが、千葉市で2000年以上前の蓮の実が発見されました。弥生時代以前の蓮の実ですから、もうそのイノチは尽きたと誰もが思うのではないでしょうか?

ところが植物学者・大賀一郎(おおがいちろう)博士の手によって、その一粒の蓮の実が発芽し大輪の花を咲かせました。驚きの大発見!“大賀蓮(おおがはす)”として知られているものです。

将来咲くであろう蓮の花の設計図が種子の中に刻印されていて、2000年以上にわたって健全であり続けたというのは“びっくり”というしかありませんが、さらにびっくりするのは、蓮の実を発芽させることを可能にした「土(ミネラルと水、有機物の複合体)の力」です。種子だけでは、この蓮は永遠に花開くことがなかったわけですから。

種子の中に刻印された設計図を現実のものにしていくのには土壌が必要なのだということ、そしてその土壌には想像を絶するすごい力があることに改めて気づかされるのではないでしょうか?昨年、日本で生まれた男の子の名前で最も多かったのが“蓮”だと報道されています。何を意味しているのでしょうか。

設計図どおり花となり実となる“造化の妙”

バラにしても梅にしても桜にしても、植物の場合、種子が土の中で発芽し、やがて美しい花が咲き実となって次世代に引き継がれていきます。この絶妙なイノチのメカニズムが完結するために、自然界には三段階のステップが用意されています。

第一段階は種子の中に設計図(プログラム)が書き込まれる段階です。小さな小さな種子の中に、その植物の運命を決める設計図が刻み込まれているというのは、奇跡というしかありませんね。

第二段階は土の中で種子が消え去り、発芽し成長していく段階です。種子が融けて発芽し、やがて大きな樹に育つことを可能にする力が土の中に宿っているというのも造化の妙としか言いようがありません。

そして第三段階、種子の中にひそんでいたエネルギーが土の力を借りて開放され、花が咲く時を迎えます。花が咲いて実がなって花のイノチを次世代に伝えていくことになります。

「花が開くとき蝶々がやってくる」という表現がありますが、花が咲くというのは、単に自分のイノチが完結するということだけにとどまるものではありません。花が咲くことによって解放されたエネルギーが、万物のイノチを養う働きを担っているということを意味しているのでしょう。ちなみに、昨年、日本で生まれた女の子の名前で最も多かったのは“結衣”なのだそうです。深層意識が働いているのを感じるのではないでしょうか?自然界は開放系(オープンシステム)なのです。

バラはバラ、梅は梅、桜は桜―外見だけを見ると、それぞれが別々のイノチを生きているように見えるのですが、これはあくまでも「個」として現れた物質界におけるイノチの姿であって、高次元世界において自然はひと連なりのイノチで構成されていて、お互い助け合って生きているのです。

植物の種子に宿ったイノチのエネルギーが解放されて、美しい花として咲き誇るに至る三段階は、人間も含めて万物に共通の原理だと思われます。

人間の場合は意識のあり方が他の動植物と異なっていて、その意識を活用するための自由意志が与えられているという特色があります。人間に自由意志が与えられているというのは、この上なく飛躍する可能性があるということを意味している一方で、未熟な魂が自由に行動すると、「道」からそれて破滅的な結果につながる可能性があるということをも意味しているように思われます。

いま、人類は未曾有の生存の危機に直面しているようですが、自由意志をうまく使うことができず「道」を踏み外しているということなのだと思います。